クバネティスとは、コンテナ化技術をより便利かつ簡単に活用できるよう作られたオープンソースツールです。
IT技術が進歩し幅広い分野に活用されている昨今において、コンテナ化技術はぜひ導入したいシステムです。しかし、導入にあたって正しい知識と技術を持ち合わせていなければなりません。とくにセキュリティリスクに関しては十分な注意が必要です。
本記事ではクバネティス導入に伴うセキュリティ面での課題から、安全に使うためのコツまでまとめているのでぜひ参考にしてください。
クバネティス導入によるセキュリティリスク
クバネティスは複数のコンテナをまとめて管理できるツールですが、セキュリティ設定が甘いと攻撃により他のコンテナやシステム全体が危険にさらされるリスクがあります。
サイバー犯罪者やマルウェアの攻撃を受けた場合に起こりうる事態として、以下が挙げられます。
- コンテナ内の情報漏洩
- 不正アクセス
- システムの不正操作
企業がクバネティスを使用している場合、顧客データなどの重要情報が不正に持ち出されて悪用される恐れもあります。その結果、企業の信頼を損なう恐れもあるのでセキュリティ面には重々注意する必要があります。
クバネティス導入によるメリット
セキュリティ面に注意が必要なクバネティスですが、導入により以下のようなメリットもあります。
- コンテナ停止時に自動で復旧してくれる
- アプリケーション単位で基盤情報が設定できる
- アプリケーションを停止せずに更新できる
これらの特徴によりシステム運用の効率性が大幅に向上します。
たとえばコンテナが停止した場合、通常であればコンテナの状況確認・原因調査・復旧手続きまで、すべて手動で行わなければなりません。
一方クバネティスがあれば自動で復旧してくれるので、思わぬトラブルが起きたときも安心です。
クバネティス環境を安全に使用するコツ
最後に、クバネティス環境を安全に使用するためのコツを紹介します。企業でクバネティスを導入する際には、最低でも以下の4つはクリアするようにしましょう。
- システムモニタリングを行う
- Kubernetes APIへのアクセスを制限する
- コンテナイメージのセキュリティを確保する
これらの対策を実践することで、クバネティス導入後のセキュリティリスクを最小限に抑えられます。
システムモニタリング(監視)を行う
基本的なセキュリティ対策として、システム全体のモニタリングを行うことが大切です。これはリソースの使用状況やアプリケーションの稼働状態を常時チェックすることにより、異常が起きた際すぐに対応できるためです。
モニタリングは人の手で行うのは不可能ではありませんが、大規模な環境で対処するのは非現実的です。効率的に監視するには、モニタリングツールを利用すると良いでしょう。例えば、クラウドセキュリティの統合を実現した「Sysdig Secure」なら、リアルタイムで脅威を検知。リスクの優先順位付けをすぐに可視化することが出来ます。
APIサーバーへのアクセスを制限する
クバネティスを構築するうえで基礎となるKubernetes APIは、外部からの攻撃を受けないようにアクセス制限を設けておきましょう。なぜならAPIサーバーは重大な情報にも間接的にアクセスできることから、サイバー犯罪者に狙われやすいという側面も持っているためです。
APIサーバーが攻撃されると個人情報や機密情報など、さまざまなデータが盗まれる危険性があるため万全の対策が必要です。
コンテナイメージのセキュリティを確保する
導入したコンテナイメージが正しく設計されていない場合、その部分に脆弱性が生まれます。攻撃者がその脆弱性を悪用してネットワークに侵入すると、情報を盗んだりシステムを書き換えたりする恐れもあるでしょう。
脆弱性はスキャンツールを使ってチェックできます。特にオープンソースのコンテナイメージを使用する場合は、導入前に必ず確認することをおすすめします。
今後のITインフラに求められるセキュリティ対策の展望
クバネティスはコンテナ化技術の導入ハードルを下げてくれる一方で、セキュリティ面で注意が必要なツールです。業務の効率化や拡大を進めると同時に、顧客に対する責任も伴うこともIT担当者は忘れてはいけません。
安心してクバネティスを活用できるよう、本記事で紹介したセキュリティ対策もぜひ実践してみてください。